ふたつのコートがある家

北中城村,2022

コンセプト

敷地は沖縄の中部、北中城村に位置する。

かつて琉球米軍司令部 (Ryukyu Command headquarters) があり、通称ライカム (RyCom)と呼ばれる場所である。

長い間米軍のための施設として利用されてきたこの土地が返還され、2015年に大型ショッピングモールが完成、それをきっかけに周辺が開発され、住宅、集合住宅、商業施設、大型総合病院が建ち並び、短い期間に景色が一変したエリアである。

そこで3人家族のための住宅の設計の依頼をいただいた。

きれいに区画割りをされた住宅エリアに位置し、区画の半分くらいがまだ空き地となっている状況であった。

計画においては、建蔽率、容積率はもちろん、高さ制限、隣地からのセットバック、勾配屋根の制限など、このエリアで制定されている地区計画をクリアさせながら、今後、周囲の空き地に建物が立ち並ぶことを予想しながら設計を行った。

ひな壇上の区画で、隣地が高くなっていたため、プライバシーを確保しておくべきと考え、コートハウスを提案し、受け入れていただいた。

1階にLDK,水回りを設け、リビング・ダイニングとつながる水盤のある広めのコートテラスと、バスルームからつながるコンパクトなコートテラスを設け、プライバシーはしっかり確保しながら光と風は十分取り込めるプランとした。

2階には子供室と寝室とし、勾配屋根を利用した吹き抜けをリビングの上に設けた。

コートテラスに面する建具は木製の引き込み戸とし、全開放させることで、積極的にコートテラスとつながる設計とした。

内外共にコンクリート打ち放しという粗な質感の建築でありながら、開放的にコートテラスと一体的につながる空間は光と風が通り抜け、室内でありながら半屋外を感じさせ、逆にコートテラスも屋内かのように感じる空間となり、限られた敷地内に、豊かな空間を生み出している。

今後も開発が進み、建物が立ち並んでいくであろう、都市化が進む沖縄においての、ひとつの形となったと思う。

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